Open Water(OW、オープン・ウォーター)を取得したら、次のステップはAdvanced Open Water(AOW、アドバンスド・オープン・ウォーター)です。
ダイビングを始めたい!という熱意から取ったOWの資格ですが、座学もあり限定水域の講習もあり、疲れてしまったという方も多いのではないでしょうか。(私はそうでした…)
AOW(アドバンスド・オープン・ウォーター)の資格を取ると、OWでは制限されていた環境でのダイビングや、比較的難易度の高いダイビングを楽しむことができるようになります。具体的に3つの例を挙げて説明します。
サクッと読むための目次
アドバンスド・オープン・ウォーターは様々なダイビングポイントが楽しめる
最大水深が増えて行動範囲が広がる
OWでは18メートルまでの限定水域ダイビングが可能となりますが、AOWを取ると、30メートルまで潜ることが可能になります。そのため、潜ることの出来るポイントが格段に増えます。
例えば、グアムの有名なダイビングポイントであるハートリーフでも、大きく差が出ます。OWでは表面を見ることしかできませんが、 AOWを持って入れば、ハートリーフの壁を辿って深いエリアまで探検し、下から上を見上げてハート型の穴を見ることができます。
また、日本国内で有名な熱海の沈潜は最大水深が30メートルなのでアドバンス以上の資格を持っていないと沈潜ポイントで潜ることができません。
最大水深がさらに深いディープダイビング
ディープダイビングのスペシャリティという特殊資格をとると40メートルまで潜ることができるようになります。しかし、30メートルも40メートルも光が届く具合を考えると大きな楽しみの違いはありません。
水深30メートルよりも深いところに目的の岩場や沈船がある場合や、より安全に潜るための知識をつけるという目的でディーブダイビングのスペシャリティを取得することをおすすめします。
ナイトダイブはまるで宇宙
夜の海は宇宙のよう
突然ですが、宇宙って憧れませんか?宇宙飛行士はダイビングをして無重力空間のトレーニングを積むとも言われているほど、ダイビング中の海の中での開放感は宇宙での無重力空間にとても近いそうです。
OWでは最大水深の制限がありますが、ナイトダイビングをするには、AOWの資格取得が必要です。AOWを取得すると、無重力に近い空間で、日光の届かない夜に潜ることが出来るようになります。
自分自身の手に持つ水中ライトと月のあかりだけで照らされる視界はとても神秘的で、同じダイビングポイントでも昼と夜とでは雰囲気がガラッと変わります。
ナイトダイブの楽しみ方
夜行性のタコや伊勢海老などが活発に活動していたりと、海の生態系の楽しみも増えます。仕事の都合でアメリカに行った際には、「ハンティング」と呼ばれるスタイルでナイトダイブをして、夜行性のイカや伊勢海老を採って採ったばかりの新鮮で豪華な海鮮ディナーを楽しんだりしました。
暗闇で自分のライトで海洋生物を見つけるのは冒険心がくすぐられます。探検や冒険が好きな方や宇宙に憧れる方にはとてもおすすめです。
ドリフトダイブで自由気ままに海で過ごす
ドリフトダイブとは
ドリフトダイブとは、自分で泳ぐことを最小限にして、潮流に任せて広い範囲を移動しながらダイビングするスタイルです。エントリーした後は、流れに任せて好きなように移動しながら海の中を自由に楽しみます。
エアの残圧次第でダイビングを終了し、フロートと呼ばれる目印を水面に出すことで、そこにボートが迎えに来てくれるという、VIP待遇な気分が味わえるダイビングスタイルです。
AOWが必要な理由
流れがあるポイントで潜ることになるので、中性浮力などの技術が必要なため、AOWの取得が推奨されています。ダウンカレントという下向きの潮流にのまれて、気がついたら水深30メートル以上まで行ってしまった、なんて事もあるのでテクニックを身につける必要があるスタイルです。
ドリフトダイブのメリット
潮の流れに身を任せるので足を動かして泳ぐ必要はほとんどなく、方向転換だけ気をつけていれば良いので、慣れてくるとこの潜り方がとても楽です。
流れのあるポイントは、回遊魚の通り道になることが多いため、ジンベエザメ、エイ、マンタ、マンボウなどのダイバーなら1度は見たい大物に出会えることが多いポイントが多いです。日本国内だと、南伊豆の神子元でハンマーヘッドシャークが見られることで有名です。
アドバンスド・オープン・ウォーター講習にかかる期間と必須科目
座学は約3日間で取得できる
アドバンスの資格を取得するためには、5つの教科項目を実施する必要があります。座学は教科書を読んで章末クイズを解いて答え合わせをする必要がありますが、最短で2日、平均3日程度で取得できます。
海洋実習は5科目
海洋実習では、5つの項目のうち必須科目が2つと選択科目を3つ選択する必要があります。必須項目はディープダイブとナビゲーションダイブの2つです。
ディープダイブでは、最大水深30メートルまで潜る場合の安全停止のルールやスキルなどを身につけます。ナビゲーションダイブは、エントリーした場所に自分で戻ってくることができるよう、コンパスの見方や水中での距離の測り方などを学びます。
おすすめの選択科目
複数ある選択科目の中でも私のおすすめは、
- エンリッチド・エア
- 中性浮力(ピーク・パフォーマンス・ボイアンシー)
- ナイトダイブ
です。
エンリッチド・エアは、普通の空気よりも酸素濃度が濃い(=窒素濃度が低い)エアを使ってダイビングをすることです。海外や沖縄など、飛行機で行くようなリゾートでダイビングを楽しむなら、持っていた方がより安全にダイビングをすることが出来、疲れにくくなります。
中性浮力はダイビングのスキルのひとつですが、これがとても重要です。肺に空気を入れるだけで浮いたり沈んだり、また安全停止の際に手足をばたつかせることなく同じ場所に留まり続けたりするスキルを身につけることで、より楽にダイビングを楽しむことができるようになります。
また、エアの消費を抑えることが出来るようになるため、水中でより長い時間過ごすことが出来るようになります。
ナイトダイブは、日が沈んでからの海に潜るダイビングスタイルです。ナイトダイブを選択することで、暗闇の中を潜るための知識とスキルが身につきます。
ナイトダイブでは、懐中電灯で照らしている範囲しか視界がないので、フィンキックなどを頼りにより的確なナビゲーションをするスキルが身につきます。
リゾートで安く楽しくアドバンスド・オープン・ウォーターの資格取得
アドバンスド・オープン・ウォーターの資格まで取得した理由
私は、OWもAOWの資格もカリブ海で取得しました。ひとり旅をしていた時に、水中カメラマンの方に出会い、海の魅力に取り憑かれたのがダイビングを始めたきっかけです。
その際に、中米にあるホンジュラスのウティラ島というところで世界で一番安くダイビングライセンスが取得できる、と聞いたことがきっかけでOWとAOWの資格をとりました。
最初は、AOWの資格まで取得するつもりはなかったのですが、ファンダイブをする感覚でライセンスが取得できる上にダイビングの幅も広がるので、OWの資格取得後にAOWも続けて取得しました。
どこで取得するべき?
私はホンジュラスのウティラ島でのライセンス取得をしましたが、タイのタオ島、エジプトのダハブも同じくらい安くライセンスが取得できる場所としてバックパッカーの中では有名です。
そして、それぞれ比較的暖かく透明度の高い海なので、日本ではあまり見ることのできない色鮮やかなイソギンチャクやサンゴ礁や熱帯魚と一緒にダイビングをしながらAOWの資格が取得できるので、一石二鳥だと思いました。
安さを求めるのであれば、ホンジュラス、タイ、エジプトがおすすめですが、日本からの近さを考えるとグアムやサイパン、国内であれば沖縄でのAOW取得も海の透明度や魚影の濃さの観点からはおすすめです。
まとめ
AOW(アドバンスド・オープン・ウォーター)を取得すると、よりダイビングのスキルを身につけて幅広く楽しむことが出来るようになります。
OWを取ってファンダイブを楽しんだ後にAOWを取ることを考える、という方が多くいますが、AOWの講習で身につけるスキルは早く習得した方がファンダイブをより楽しむことが出来るので、OWと合わせて取得してしまう事をおすすめします。