西伊豆「雲見」ダイビングで青の洞窟体験を【東京から日帰り】

青の洞窟













東京に住んでいると、ダイビングってどこでするの?とよく聞かれます。東京も海に面してはいるけれど、海水浴に適しているほど綺麗な海というわけじゃない、という印象がありますね。実際、ダイビングを始める前の私もそうでした。

でも、ダイバーになってはじめて、日本が島国であること、東京から車や電車で日帰りで行ける距離にたくさんのダイビングスポットがあることのすごさに気づいたんです。

そして東日本のダイビングスポットといえば伊豆です!多くのダイビングスポットがある伊豆のなかでも、神秘的な青の光が差し込む洞窟探検が楽しめるエリア、西伊豆の雲見(くもみ)をご紹介します。

西伊豆「雲見」ダイビングの概要

ダイビング

伊豆半島の先端より西側(そのため西伊豆)、駿河湾に面した位置に雲見はあります。

地形

起伏に富んだ海岸線の先に切り取られたような形で開かれた雲見は、昔から漁師町と温泉街として栄えていました。

夏になると海水浴や花火大会の見物に人が訪れることも多く、旅館で供される地の魚介類をふんだんに使った食事は絶品です。

雲見といえば「牛着岩」をまず覚えよう

この雲見の町に着くと、浜から見える沖合に、一つの島が真ん中でちょうど割れたように見える「牛着岩(うしつきいわ)」が浮かんでいるのが分かります。不思議な名前ですが、飼っていた牛が海に流され、たどり着いたことから名づけられたとされています。

この大小の岩から成る「牛着岩」が雲見のメインのダイビングスポットで、伊豆半島の中でも特にダイナミックな地形ダイビングが楽しめます。また、牛着岩の向こうには晴れた日には富士山も望め、写真を撮るゲストも多い景勝地です。

はじめてのボートダイビングは西伊豆「雲見」がおすすめ

ボート

ダイビングポイント

雲見の基本はボートダイビングです。港からダイビング専用ボートに乗り、「牛着岩」など近いポイントへは2~3分、遠くても10分で到着です。

湾内に近いので波もほとんどなく、ボートに乗っている時間が短いため、船酔いが心配、ボートダイビングを経験したことがないという方も、さほど緊張せずに行けるので安心だと思います。

エントリー方法

ただし、エントリーは基本的にはバックロールエントリーとなります。後ろ向きに回るのが最初は怖いという方も多いと思いますが、講習なども受け入れているショップが多いので、ゆっくり落ち着いてガイドの指示に従いましょう。

私も最初はドキドキでしたが、これぞダイバー!という感じで、次第にドボンドボンと勢いよく潜るのが快感になっていきました!

雲見のダイビングポイント「牛着岩」の豪快な海底トンネル

海

牛着岩の特徴

牛着岩は上述したように二つの岩に分かれていて、港から見て左手に見えるのが「大牛」、右手が「小牛」です。その岩と岩の間にクレバス(深い割れ目)、トンネル、アーチ、大穴などが無数に形成されているのが特徴です。

水中ライトを持参

水面が見上げられるオープンウォーターの場所もありますが、基本的には岩と岩の間をくぐり抜けていくように泳いでいきます。そのため、水中ライトを持参していくことをおすすめします。ショップによってはレンタル可能です。

冒険気分を体験

複雑な海底地形の穴を覗いたり、アーチをくぐったり、割れ目に沈んでいったり、ライトの明かりを頼りに冒険気分を味わうことができます。

また、海況と太陽の位置の条件が合えば、洞窟の中が真っ青な光に満たされるポイントに出られることも!水面から顔を出して、自然が作る美しい青の世界をぜひその目で確かめてみてください。

西伊豆「雲見」には魚の群れやマクロの生物も豊富

魚

地形のポイント

地形ポイントとして有名な雲見ですが、ワイドで魚の群れを眺めたり、マクロの生物をじっと見つけるダイビングもできます!

大きな穴に入り、キンメモドキやネンブツダイの魚の群れの真ん中に突入して、前後左右を魚に囲まれるなんて経験も可能。また、穴の内側に入って、光が差し込むのを背景に魚の群れのシルエットを撮るという、ちょっとプロっぽい写真の撮り方もできます。

豊富なウミウシ

のけぞるほど高い壁沿いをじっと目を凝らすと、大小様々なウミウシがいっぱいいます

アオウミウシなどのスタンダードな種類からレアな種類までいるようで、かたや魚の群れに夢中、かたや壁に張り付いて目を皿のようにして米粒大のウミウシ探しに没頭、というように、飽きることなく自由気ままなダイビングスタイルが実現できます。

西伊豆「雲見」までのアクセス

西伊豆「雲見」

所要時間

東京から車で約3時間〜3時間半ほどです。車で行く場合には、都内を6時頃出発して10時前に到着です。午前中に1本、お昼休憩をはさんで午後に1本潜って片付けをし、17時ごろ雲見を出るのが一般的です。

風光明媚な伊豆半島の海岸線をドライビングしながら、美味しいものを食べたり、景色を楽しんだりし、だいたい都内への戻りが20時か21時くらいです。

各種情報

なお、港にはダイバー専用施設「雲見シーサイドハウス」があり、更衣室、シャワールーム、休憩室、さらにウエットスーツのまま入れる温泉のお風呂もあるので、ダイビング後の片付けや着替えにもそんなに苦労しません。

送迎

また、車がない方でも、ダイビングショップによっては電車で伊豆急下田駅や修善寺駅まで行き、そこから車で送迎してくれるところもあるので確認してみてください。

基本情報

  • 名称:雲見シーサイドハウス
  • 住所:静岡県賀茂郡松崎町雲見654
  • 電話番号:0558-45-0701

まとめ

雲見の洞窟は複雑すぎて、一度や二度ではとても回りきれません!また、8月中旬ごろから9月中旬にかけてトビエイ30尾以上の群れが期待できる「沖の根」といったポイントもあり、地形スポットと併せて楽しみたいところです。

ただ、沖に出るとうねりが入り、水深も深めなので、しっかりと中性浮力がとれるように、スキルアップしてから行くのがオススメです。

ダイビングの楽しみは、ただ生物を見るだけじゃないんだ、ということを教えてくれるのが雲見のポイントです。ダイバーじゃないと見られない地球の美しさを、ぜひあなたもその目で確かめてみてください。