酸素の入ったタンクを背負い、自由に海中散歩をしている映像を見かけることがありますよね?あれは、素潜りやシュノーケリングよりも水の中に長時間滞在することができるスキューバーダイビングというスポーツを楽しんでいる人達の姿です。
スキューバーダイビングを始めるにあたり必要となるのが、オープンウォーターと呼ばれるランクのCカードです。このCカードを取得するためには、民間団体が主催する学科講習と実技講習を全て受講し、担当のインストラクターから認定を受ける必要があります。
こちらでは、オープンウォーターの資格取得方法についてご紹介をしていきます!
サクッと読むための目次
オープンウォーターとは?
名称
オープンウォーターは、正式名称をオープン・ウォーター・ダイバー・コースといい、ダイビングを安全に楽しむために必要な知識を習得することができるコースです。取得できる施設は、ダイビングサービス店、ダイビングショップになります。
取得方法
このコースは、国内はもちろん海外でも受講することができます。ダイビングサービス店やダイビングショップに通って、少しずつ講習を受けることもできますが、海の近くに泊まり込む合宿コースを受講する場合は、最短2泊3日で取得することができます。
Cカードについて
このコースを修了すると、Cカードと呼ばれる認定カードが指導団体から発行されます。
Cカードは、ダイビングショップを利用してダイビングを楽しむ場合、必ず提示しなければならない証明書です。持っていない場合、施設利用を受け入れられないということが起こり得るほどに、重要なカードです。
スキューバーダイビングは、水中に呼吸器をつけて潜る単純なスポーツだと思われがちですが、必要なスキルは数多くあります。そのスキルや水中で必要な知識を、インストラクターと共に学ぶことができるのがオープン・ウォーター・ダイバー・コースです。
参加条件※以下PADI規定に基づく
15歳以上、ジュニア・オープン・ウォーター・ダイバーは10歳以上
教材費用
- PADIオープン・ウォーター・ダイバー・コースDVD 4,672円
- PADIオープン・ウォーター・ダイバー・マニュアル RDPテーブルタイプ&インストラクション・ブックレットセット 4,590円
- PIC申請書 4,326円
- ポケットログ・ポケットトレーニング レコード専用カバー 985円
上記教材費用を含めて、60,000円~100,000円の間で講習を受けることができます。必要な費用は、講習を受けるダイビングサービスにより異なります。
オープンウォーターの講習内容
スキューバーダイビングは、レジャースポーツとして世界中で楽しまれています。ですが一方、海猿という映画で一躍有名になったように、人命救助の方法として用いられている潜水技術のひとつでもあります。ダイビングを安全に楽しむには、多くの知識と経験、技術が必要なんですね。
では、オープンウォーターコースで行われる講習の内容を、2つに分けてご説明していきます!
オープンウォーター学科講習
「知識開発」と呼ばれる学科講習です。テキストの問題を解いたり専用のDVDを見たりしながら、インストラクターの指導の下、ダイビングをする上で必要な知識を身に付けることができます。
- ダイビング器材の選び方、使用前の準備、お手入れの方法
- 水中で快適にダイビングを楽しむための自然環境や生物に関する情報
- 水中で困ったり問題が起きないようにするための安全ルール
- コース修了後の楽しみ方やステップ・アップについてのプラン作り
- ダイビングショップを訪れて、インストラクターと一緒に学ぶ授業学習形式
- インターネット環境のあるPCで学科を終了させる自習学習形式(eラーニングと呼ばれています)
オープンウォーター海洋講習
始めに「限定水域」と呼ばれる実習を行います。海洋実習をする前に、水深の浅い海やプールで水に慣れることを目的に実施されます。ダイビングをする上で必要となるダイビングスキルや、緊急時の対処法を実際に練習して学びます。
- ダイビングを楽しむときに必ず使う基本的なテクニック
- 水中で困ったり問題が起きないようにするための安全テクニック
- 万が一何か問題が起きた時に備えた確実な対処テクニック
オープンウォーター海洋ダイブ
限定水域ダイブで身に付けることができたスキルを、自然環境である海の中で実践する講習です。実際の海は、波や流れ、障害物があるので、限定水域のようにスムーズには行かないことを学びます。
また、魚や綺麗な水中を観て、ダイビングをする喜びと楽しさを感じる時でもあります。
- 限定水域ダイブや知識開発で身に付けたスキルを使って実際にダイビングをする
- 水中スキルやダイビングルールの再確認をして慣れる
- 水中観察・海中散歩など実際のダイビングを安全に体験する
オープンウォーター取得後にできることとは?
晴れてオープン・ウォーター・ダイバー・コースを全工程修了した場合は、CカードをGETできます!
このオープンウォーターのCカードを手にしたことで、できるようになることは、どんなことなのでしょうか?以下にまとめました。
オープン・ウォーター・ダイバーがダイビングで可能なこと
- バディとなるダイバーとペアで、自分達で計画をしてダイビングをすることができる
- コンディションの良い海では、インストラクターの案内なしでもダイビングができる
- アドベンチャープログラム、各種スペシャルティー・ダイバーコースを受講できる
- ダイビングサービス店でダイビングについての各種サービスを受けることができる
- 水深が18m以上の場所でダイビングができる
オープン・ウォーター・ダイバーコースを修了すると、1人前のダイバーとして認定されます。レジャースポーツとしての範囲で、ダイビングを安全に楽しむことができるスキルと知識を持っているからです。
オープンウォーター講習の際に必要な持ちもの
オープンウォーターの講習を受ける時に、持っていくと良いものはあるのでしょうか?
ダイビングにおいて必要なダイビング器材やウエットスーツは、講習を受けるダイビングサービス店が用意してくれます。ですが、それ以外に必要だと感じる持ちものをこちらでご紹介しましょう!
酔い止め
限定水域の時は、浅瀬で講習を行います。海洋実習の時は、ビーチエントリーもしくは、ボートエントリーでのダイビングとなります。普段は波酔いや船酔いをしない人でも、ダイビングの時には酔ってしまうことがあります。
講習で疲れていることや、全身合わせて10kg以上の(ドライスーツの場合はそれ以上の重量)ダイビング器材を背負っているために、普段とは状況が違うからです。酔いやすい人は、必ず飲んでおくこと。普段酔わない人でも念の為に、酔い止めを携帯しておきましょう。
- ビーチエントリー:波打ち際から歩いて水中へ入る方法
- ボートエントリー:ボートの上から飛び込んで水中へ入る方法
- ドライスーツ:水を通さないタイプのダイビングスーツで中には服を着る
防寒着(上着・ボートコート)
ウエットスーツで講習をする場合
日本国内でウエットスーツで講習を受ける場合は、風を通さないような上着を持っていきましょう。
海洋講習は、1日がかりで行われます。風が吹いても雨が降っても、少々のことでは中止になりません。休憩は波打ち際やボートの上でとることになります。
正直に言うと、これがとても、寒いんです。陸上でも寒いのに、水中に行くとさらに寒いです。必ず、防寒着を持っていきましょう。
- ウエットスーツ:体とスーツの間に水が入り込むタイプのダイビングスーツで中には水着を着る
ドライスーツで講習をする場合
ドライスーツを使用するということは、夏以外の寒い時期に講習を行うということ。ドライスーツの中に着るための洋服を持っていきましょう。
オススメは、ヒートテック素材のシャツやハイネックのフリースです。ドライスーツの中に水が漏れて、中の服が濡れてしまうことがあるので、予備で2枚以上持っておくとよいでしょう。
目薬と予備のコンタクト
限定水域の時に、必須習得スキルとして海中でマスクを外して再度つけるというスキル練習があります。この時に、必ずしも水中で目を開けなければいけない訳ではありませんが、どうしても目に海水が入ってしまいます。
また、海洋実習の時に、マスク内に水が入ってしまう場合も考えられます。目に海水が入りしみる時や、コンタクトレンズを無くしてしまった時のために、目薬と予備のコンタクトレンズを用意しておきましょう。
オープンウォーター講習を受ける際の注意
オープンウォーターの講習を受ける場合、時間に余裕がある人は、海外で講習を受けることをおすすめします。タイ、インドネシア、フィリピンといった東南アジアには、日本人経営のダイビングショップがたくさんあり、2泊3日でオープンウォーター講習を実施しています。
私は、現在プロダイバーとして活動しています。オープンウォーター、その次のランクであるアドバンスド・オープンウォーターは日本で、それ以上のプロになるまでの資格を全てフィリピン・セブ島で取得しました。暖かくて綺麗な海での講習は、本当に最高でしたよ!
オープンウォーターのCカードを手にして、日常とは違う世界を体験してみてください。その冒険がきっと、あなたに新しい価値観を与えてくれることでしょう。